100万円の値下げ交渉。受けるべきか断るべきか、僕が出した最終決断
2026-06-03更新

50代自営業
5棟あるアパートの出口戦略検討中。方向性や考えをコラムとして記しておきます。
アパートを売り出してしばらく経った頃、不動産会社の担当者さんから一本の電話が入りました。
ついに僕の物件を買いたいという投資家さんが現れ、買付証明書という購入申込書が届いたという知らせです。
ようやくここまで来たかと胸が躍ったのも束の間、書類に書かれていた購入希望価格は、僕が設定した売り出し価格からちょうど100万円低い数字でした。
いわゆる指値と呼ばれる値下げ交渉です。
本業の自営業でも100万円の利益を出すのがどれほど大変か知っているからこそ、簡単に首を縦に振るわけにはいきません。
今日は、この大金を巡る葛藤と、僕が悩んだ末に出した最終決断についてお話しします。
1. 押し寄せる焦りと、自営業者としてのプライド
最初に100万円の値下げを突きつけられた時、僕の心の中は二つの感情で引き裂かれそうでした。
一つは、ここで断ってしまったら次の買い手はもう現れないかもしれないという強い焦りです。
築古のアパートですし、売り時を逃すことの恐怖は想像以上のものでした。
しかしもう一方で、安易に値引きに応じるのは経営者として負けたような気がする、というプライドもありました。
相手は不動産投資に慣れている方のようで、こちらの足元を見ているのではないか、という疑心暗鬼にも陥りました。
感情的に突っぱねるか、それとも泣く泣く受け入れるか、最初の数時間は頭が完全にフリーズしてしまいました。
2.感情を脇に置き、あらかじめ決めていた数字に戻る
冷静さを取り戻すために、僕は売り出し前に税理士さんや不動産会社さんと一緒に作った資金計画のノートを開きました。
そこには、次の投資への資金や、売却にかかる税金を支払った上で、手元にいくら残ればこの出口戦略は成功と言えるかという最低ラインの数字が書いてありました。
確認してみると、今回の100万円の値下げを受け入れたとしても、事前に設定していた最低ラインは十分にクリアできていることが分かりました。
実は、最初の売り出し価格には、あらかじめある程度の交渉が入ることを予測して、少しだけバッファを持たせてあったのです。
ノートの数字を見たことで、主観的な悔しさではなく、客観的なビジネスの判断としてこの交渉と向き合う準備ができました。
3. 僕が出した答えと、交渉の着地点
ただ丸呑みするのも悔しいので、僕は不動産会社を通じて一つの提案を買い手の方に返しました。
100万円満額の値下げは難しいけれど、間を取って50万円引きであれば今すぐ契約を結びます、というカウンターの提示です。
これには自営業で培った交渉の勘もありました。
さらに、その代わりに引き渡しの時期をこちらの都合に合わせて少し早めてもらう、という条件も付け加えました。
結果として、相手の方もその提案を快く受け入れてくださり、50万円の減額という形で無事に話がまとまりました。
100万円かゼロかという極端な二択にするのではなく、お互いが少しずつ歩み寄る着地点を見つけられたのは、僕にとっても大きな経験になりました。
まとめ:出口戦略を前に進めるための大局的な視点
今回の件で痛感したのは、数千万円という大きな取引の前では、100万円という大金でさえも、全体のパズルを完成させるための一つのピースに過ぎないということです。
50万円を譲ったことで、僕はアパートの売却を完了し、次のステップへ進むという大きな果実を手に入れることができました。
目先のお金の増減だけに囚われず、全体の目的を見失わないこと。
それが、50代からの出口戦略を成功させるために大切な姿勢なのだと、身を以て学んだ一件でした。
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